榊一族
「お姉様ぁ、お母さまが呼んでらっしゃるわ。」
えりさんだった。
「あ、今伺います…では、失礼します…」
長女は音を立てずにすっと行ってしまった。
俺はしばらくぼーっとしていた。
「大丈夫?探偵さん。どうかなさったの?」
「え?あ、はい…」
えりさんの甘い声で俺は現実に返った。
「ウフフ、綺麗な方よね、お姉様。」
えりさんは長女が去っていった方向を見て言った。
「ええ…」
「気づいていらっしゃる?お姉様、あなたの目を見れないってこと。」
「え?なぜですか?」
「美鈴さんに似ているからよ、探偵さんが。それをお姉様が一番敏感に感じ取ってるわ。」
…そうだろうと思った。
俺は絵を見た。
間違いなくこれは長女だ。
「それは?」
えりさんは俺の手に持っている絵を指した。
「たった今美鈴さんの引き出しを見ていたら見つけたんです。この絵の人物は桜子さんですね。」
えりさんが絵を持って覗き込む。
「…お姉様だわ。」
えりさんはきっぱり言った。
ということは、美鈴さんと長女は何か関係があったに違いない。
えりさんだった。
「あ、今伺います…では、失礼します…」
長女は音を立てずにすっと行ってしまった。
俺はしばらくぼーっとしていた。
「大丈夫?探偵さん。どうかなさったの?」
「え?あ、はい…」
えりさんの甘い声で俺は現実に返った。
「ウフフ、綺麗な方よね、お姉様。」
えりさんは長女が去っていった方向を見て言った。
「ええ…」
「気づいていらっしゃる?お姉様、あなたの目を見れないってこと。」
「え?なぜですか?」
「美鈴さんに似ているからよ、探偵さんが。それをお姉様が一番敏感に感じ取ってるわ。」
…そうだろうと思った。
俺は絵を見た。
間違いなくこれは長女だ。
「それは?」
えりさんは俺の手に持っている絵を指した。
「たった今美鈴さんの引き出しを見ていたら見つけたんです。この絵の人物は桜子さんですね。」
えりさんが絵を持って覗き込む。
「…お姉様だわ。」
えりさんはきっぱり言った。
ということは、美鈴さんと長女は何か関係があったに違いない。