榊一族
「私がいつも大事なものは下着に隠すっていうことを知ってるから下着なんかもうぜーんぶぐっちゃぐちゃにしてあったのよ!私いつもお気に入り順に並べてるのに!」

「そ、そうですか…」
それは俺の前で言わないでほしい。

俺はさらに読み進めてみた。

翌年の…

2月10日
桜の君へ。
もっと君とは早く出会いたかった…僕は…もう決めた。こうするしかない。

桜の君?!

それにこうするしかない?なんだろうか。

俺はさらによみ進めた。

解りそうな気がする。

日記は12月29日で終わっていた。

12月29日
さようなら、桜の君。
僕の魂をあなたに捧げます。あなたは永遠に僕の魂を持っていてください。

「それはちょうど美鈴さんが亡くなった日よ。」

「そうですか…」

駄目だな、まだわからない…決定的な証拠を見つけたと思ったのに。

…悔しい。

その時、誰かを呼ぶ声がした。

「奥様、お電話です。」

「はあい、今行くわ。」

家政婦さんはえりさんを呼んだ。えりさんはぶりっこばしりで行ってしまった。

それにしても…桜の君とは…誰なのだろうか。

予想はできても…証拠がない。

そして、僕の魂…これもどういう意味なのだろうか。

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