榊一族
「そうですか…」

「悪いことしたと思ってる。それを最近まで気づかなかったのも反省してる。」

次男は窓の外を見た。

「そのお守りと言うのはどんなものだったんです?」

俺は聞いてみた。

「うーん…神社のお守りのような…でも手作りだったぜ。布は。それになんかいいにおいしてたな。俺は何か知らねえけど。」

「そうですか…」

俺はノートに書き留めようとしたが…

「書いてやるよ、覚えてっから。」

次男は俺のノートに書き始めた。

「んでこんな風に紐がついてたな。…よし!こんな感じ。」

それは普通のお守りだった。次男の絵によると表面には刺繍で御守りと書かれてあったそうだ。

「なるほど。ありがとうございます。」

「いやいやいいんだよ。」

次男は俺にノートを返して言った。そして続けた。

「それでな、俺そのあとすげえイライラしながら部屋片付けて、部下にパソコンのデータ送ってもらってたら…何処からともなく桜子が突然現れた。

『うお!なーんだ、桜子かよ。』

『お兄様、どうかしたの?どうしたの?この部屋。』

『荒されたんだよ、美鈴に。』

『美鈴さんが?そんなことするはずないわ!』

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