榊一族
「僕はあれ好きじゃないんですよ。祖父が使ってましたけど。」

「え?じいさんも探偵さんなの?」

「ええ。親子三代で探偵をやっています。」

俺は少し祖父と父を思い出した。

こんなとき、祖父や父はどうしてたんだろうか…

「よーし!俺も手伝うよ!」

次男は近くの灰皿に煙草を入れて言った。

「ありがとうございます。でもお仕事の方はよろしいんですか?」
「ああ、俺部下に任せてあるの。俺の部下優秀だからぜーんぜん大丈夫!」

次男はにっこり笑って俺と一緒に探し始めた。

その笑顔は少年のようだった。

そういえば次男は若いな。

いくつなんだろう?

俺より年下なんてことはないと思うが…

俺も探し始めた。
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