榊一族
「それがの、最近わしやわしの家族に不吉なことばかり起こるんじゃ。はじめは大したことなかったんじゃが…最近になってエスカレートしての。この前庭を散歩しておったらいきなりボーガンの矢が飛んできての。それだけではない。長男のパソコンが壊されていたり孫娘がストーカーにあったり脅迫めいた手紙がきたりしての。他にもいろいろあるがこれ以上こんなことが続けばいずれ大惨事になるかもしれん。そうなる前にあんたに犯人をみつけてほしいんじゃ。」

「はあ…しかしそれは警察に頼まれた方が…」

俺よりも警察の方が適切では?

「わしは警察が大嫌いなんじゃ。先日警察に事情を話したら一日中わしや家族を見はられての。挙句の果てに家具を触られて壊されたんじゃ!だからわしはもう金輪際警察などには相談せん!あのど素人の新人警官めが、わしの○○××のつぼを割りおって!!思い出すだけでも腹が立つわい!!」
主は顔を真っ赤にして憤慨した。

「落ち着いてください、大旦那さま。」
「はあ…すまぬ。で、中谷さん、頼めるかの?」
「わかりました。お引き受けいたします。」
「うむ、かたじけない。」

すると玄関のチャイムが鳴った。
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