榊一族
心強い賑やかな味方
俺は今、とんでもないことを言われた。

「ええ?!」

「なんだよ、俺じゃなくてきれいな姉ちゃんの方がいいってか?!」

次男は俺に言い寄る。

「いや、俺は…」

「遊びじゃねえことくらいわかるよ!俺もう40代だよ?!立派な大人だし世間のこともよーくわかってる!ねーだめえ?おねがーい!おねがいおねがいおねがーい!」

次男はえりさんのような声で俺の肩をゆすってくる。

「いてて…いいですけど総一郎さんが…」

「わしならかまわんよ。もう息子も大人じゃ。やりたいことをやらせてやろう。」

どこからともなく主はは現れた。

「親父ぃ!!」

次男はは主に抱きついた。

「気色悪い!くれぐれも中谷さんの邪魔だけはするでないぞ!」

次男は振り払い、厳しく言った。

「は~い!よろしくな、豊!」

「え?」

俺は名前で呼ばれることに慣れていない。辺りを見回す俺に次男は言った。

「おまえしかいないだろ!俺のことは龍之介でいいから!あと敬語もやめろよ!」

次男は俺の肩に腕を回した。

…まあ、悪くないか。

「邪魔だけはするなよ、龍之介。」

俺はきっぱり言った。

主は笑いだした。

こうして次男改め龍之介は俺の相棒になった。
< 90 / 136 >

この作品をシェア

pagetop