GET BACK TOGETHER
「あの頃より可愛くなったよね」

沙希ちゃんの顔を再び横目で窺うと、顔が引き攣っていた。


「私達、用があるからこれで!」

そう言うと沙希ちゃんは私の腕を引っぱって歩き出した。


「くそっ!あんなブサ男になってるとは!」

柿田君が小さくなると、突然叫んだ沙希ちゃん。


「私の美しい思い出を壊しやがって!二十歳過ぎればただの人ってやつか!いや、あれはただの人ではないな!デブだった!」

「確かに別人のようだったね……。あれじゃ街ですれ違っても気付かない……」

私はフォローする言葉が見つからない。


「高遠君もあぁなってるかもよ!」

「な、なってない」

「だって記憶の中では私の柿田君はイケメンなんだよ!?でも実際はあんなのになっちゃってたよ!?」

うぅ……


すると沙希ちゃんは「はぁぁぁあ~~……」と深い溜め息を溢す。


「ま、でもスッキリした。百年の恋も冷めたよ。実際私がそうだから」

なんて立ち直りが早いんだ。

でも、光輝があんな風になってたら、どうしよう……。
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