GET BACK TOGETHER
そんなことを考えていたら、目の前に座る光輝が携帯を出した。
どうやら着信かメールがあったようだ。

そんな光輝を見ていたら、光輝は携帯の画面を見ながら「ちっ」と軽く舌打ちを打った。

「どうかしたの?」

舌打ちが気になって私は訊いてみた。

「俺、用が出来た。帰らないと」

椅子から立ち上がる光輝。

「え?」

言葉を溢した私の目を見ると言った。


「彼女に呼ばれた」


無表情であっさりと言い放たれた言葉は私の胸に刃物のように突き刺さった。


「お金は払っとくし、まだ時間があるから絵麻はゆっくりして。じゃあ行くわ」

「あーー……!」


思わず引き留めようとしてしまった。

鞄に入っているプレゼントを思い出したから。


「何?」

私の声に訊き返す光輝。


でも……光輝が受け取ってくれるはずない。

だって今から彼女に会いに行くんだから……
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