GET BACK TOGETHER
「やっぱり一緒に帰って良かった……」

大知さんからは長く吐いた息と安心したような声が聞こえてきた。

「す、すいません……」

絶対に最近まともにご飯を食べていないせいだ。

このままじゃ仕事にも支障が出そう。

ちゃんとしなきゃ……。

「やっぱり顔色悪い。貧血じゃない?家まで送っていくよ」

顔を覗き込まれて恥ずかしくなって、私は視線を外して大知さんから離れようとした。

「大丈夫ーー……え」


大知さんに返そうとしたその時、視界に入り込んだ。

人混みでも彼を見つけられる私の特殊スキル。


スーツを着てる光輝と、

その真横には女の人。


私の胸は変な音を立てる。


仕事帰りのスーツ姿の光輝に私は会ったことがない。
一度だけ偶然会ったあの居酒屋だけ。


その光輝と会っているということは……でもちょっと待って、まだ分からない。

私みたいにもしかしたらお仕事の同僚とか、取引先の人かもしれない…………え。


嘘、でしょ……?


私は思わず目を見開いて固まった。
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