GET BACK TOGETHER
その言葉は私の心に刺さり、目の前が真っ暗になった。

否定して欲しかった自分が心の中で泣き出し、心臓は真新しい傷口を開けるように益々大きな音を立て、手と足先は一気に冷えてゆく。


私は光輝を見ていられなくて視線を逸らすと、横にいた彼女と目が合ってしまった。

逸らすことが出来なくて彼女を見ていたら、彼女は余裕そうな笑顔を私に向けてきた。

私は凍りついたように動けない。


「あれ?彼女見たことある」


彼女が私を見据えて言った。

何も知らないフリをして。


私は何も答えられない。

答えられるわけが無い。

私は何も知らないはずなんだから。

光輝は何も知らないんだから。


今訊いたのも、絶対わざとだよね?

それすらも貴女はわかってて訊いてるよね?
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