GET BACK TOGETHER
「ユキナ、何か気になることでもあるわけ?」

光輝が彼女を見ながら名前を呼んだ。


私と付き合っていた頃は他の女の子を名前で呼ぶことなんて無かった。

もう私だけが光輝の特別じゃない……。


「特にないよ?」

そう言って笑顔の彼女は光輝の腕に触れている。


誰も入り込めない二人の空間。

光輝が気にして必死に取り繕うのは彼女。

私なんかどうでも良い。

だって光輝にとっては私はただのセフレ。


その時、頭に蘇った。
大晦日に聞いたあの台詞。


『もう終わったことだから』


あれは皆を黙らせるためじゃなくて、私に言いたかった……?


連絡をしなかったのも、私と面倒事になることを避けて自然消滅を狙ってた……?
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