GET BACK TOGETHER
しかもお会計も何度自分の分を払うと言っても、大知さんが払うと言ってくれて。
何から何まで今日は大知さんにお世話になりっぱなし。

大知さんがお会計を済ませている後ろ姿を見ていた時、ふと横に視線を動かした。
そこには窓ガラスに映る私の姿。


『絵麻って髪、綺麗だよね』

その時、光輝の言葉が蘇ってきた。

私は固まってしまう。


肩まで伸びた髪。

光輝が好きだと言った髪。

女々しくずっと光輝の好きな髪型を維持してきた。

そんな髪を見ていたら、胸には痛みが押し寄せてきて、目の奥からは再び涙が這い上がってくる。


「絵麻ちゃん、どうかした?」

そこにお会計を済ませた大知さんが来て、私の異変に気付いたようだ。

「私、髪を切りに行きます」

「え?」


もう一度、断ち切ろう。

自分から。

光輝の全てを断ち切りたい。
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