GET BACK TOGETHER
「んっ!」

次にチョコの味が口の中に広がる。


「美味しいでしょ?」

唇が離れると優しい顔の光輝がいた。


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昨日、バレンタインを思い出したせいだ。

また光輝が夢に出てきた。

あの時の光輝はもう居ないって分かっているのに、過去を手放せない意気地無しな私。

夢の中では幸せな気持ちだったのに、起きて夢だと気付いた瞬間に襲ってくる虚無感に涙が出る。


私はいつ、光輝を忘れられるんだろう……




「ハッピーバレンタイン」

「ありがとう、絵麻ちゃん」

火曜日のバレンタインの朝、大知さんにチョコを手渡した。
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