GET BACK TOGETHER
出てくれなかったらメールをしておこう。
また電話するか、折り返して下さいって。

だって内容が内容なだけに、メールで話せることじゃないし、絶対に伝えなきゃいけないし……。


『ブッ!』

不安になりかけた時、光輝は出た。


『もしもし、何?』

不機嫌そうだが、久々の光輝の声に胸がドクンと反応した。

私は胸に手を当てて、自分を必死に落ち着かせる。

「は、話が、あるの……」

緊張しすぎて声が震える。

『ホテル行きたいの?』

その言葉に光輝はやっぱり私のことをそういう風にしか見ていないのだと胸が痛んだが、心を強く持った。

「ち、違う……」

緊張する……でも、伝える……

私は胸に当てていた手をぐっと握って服を掴みながら心を決めた。

「あ、あのね、赤ちゃんが出来たって言ったら……?」


緊張しすぎて何故か疑問文になってしまった。

でも言えた……。

光輝はなんて返す……?
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