GET BACK TOGETHER
大知さんは私を未だに真っ直ぐに見据えている。

信念の宿ったような瞳。


本気だ。


「……気持ちは、嬉しいです」

そう言うと私は頭を深く下げる。

「でも、ごめんなさい……」

前の私なら大知さんならもっと良い人がいるとか、曖昧に返していただろう。

でもそんなことしたらもっと失礼だと思った。

真剣に私のことを考えて言ってくれた。

だから私も真剣に返すべきだと思った。


「頭上げて……結果は分かってたから……」

顔を上げると私に優しい瞳を向けていた。

本当にこの人は優しい……。


「あの、大知さん、私番号変えたので登録し直してもらえますか?」

「勿論……」


大知さんには私なんかよりも素敵な女性が絶対にいるから。

いつか幸せになって下さい……。
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