GET BACK TOGETHER

「絵麻、産もうなんて思ってないよね？だって二人は付き合ってないんでしょ？別れたって言ってたじゃない……」

朋ちゃんが焦った表情で言う。

「……うん……でも産むよ。一人で育てる……」

小さくだが返すと朋ちゃんは目を見開いて私の腕を掴んでいる手に力を入れた。

「シングルマザーの子供が不幸だとは言いたくないけど、片親なんて子供が可哀想だよ。それに高遠君ともちゃんと話し合って決めるべきだよ」

片親なんて子供が可哀想……

確かにその通りだよ……。

生れる前から父親がいないなんて可哀想に決まってる。

「それは私もそう思うよ……。でも私は勝手に決めたわけじゃないの……」

「え？」

「電話した時、光輝は私の話を信じてくれなかったの……。本当に俺の子かって……」

「何それ……」

朋ちゃんは私の言葉を聞くと顔を顰めた。

「まさか、それで絵麻は電話番号を変えたの？」

沙希ちゃんの問い掛けに私は小さく頷いた。