GET BACK TOGETHER
「高遠君、もしかしたら産んでほしくないかもしれないね」

沙希ちゃんがポツリと言った。


え……


光輝は赤ちゃんのことを考えて連絡してくれたかと思った。

でもあんな風に疑った光輝が私を信じてくれるわけない。


確かに沙希ちゃんの言う通りかもしれない。

期待していた心が一気に突き落とされた。


「でも私も簡単に産むなんて考えるべきじゃないと思う」

沙希ちゃんもそう言うの……?


私はお腹に両手を当てる。


私はしっかり考えたの。

この子を産んであげたいと。

一人でもしっかり育ててみせると。


「絵麻ちゃん!」

その時、私を呼ぶ低い声が飛んできた。

声の方へ振り向くと二十分前に帰ったはずの大知さんが息を切らせて立っていた。

「大知さん、帰ったんじゃ……」

「この前の彼、駅の前で君を待ってる」

「え」


光輝が、私を待ってる……?


何で……?
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