GET BACK TOGETHER
美穂が誰だかもわからないが、

「その子の番号教えて!」

俺はそれにすがるしかない。

『俺から訊いてやるよ。ちょっと待ってろ。あと、今度ワケをちゃんと話せよ?』

「あぁ、今度必ず話すから!頼む!」


俺は鞄からSuicaを出すと改札口に入ってホームへ向かう。

近藤の返信を待つとすぐに送られてきた住所を確認して、丁度ホームに入ってきた電車に飛び乗った。

近藤が顔が広くてホントに助かった。

空いていた座席に座って近藤にお礼のメールを送って考える。

もし前田が教えてくれなかったら明日絵麻の実家に行こう。

絵麻が実家に赤ちゃんのことを話しているかは分からないけれど、話していたら門前払いを食らうだろうか……。

もしそうなった時のために手紙を書いていって渡して貰おう。

そんなことを考えていたらあっという間に前田の家の最寄り駅に。

駅について電車を降りるとすぐに見覚えのある二人が視界に入った。

俺は走って追いかける。


「前田!榊原!」

声を掛けると二人は驚いた顔で振り返る。
< 367 / 481 >

この作品をシェア

pagetop