GET BACK TOGETHER
「じゃあ沙希は帰ってて。私、高遠君から話聞いたら帰るから」

「え……じゃあ、私も聞く……」

前田は憮然そうな顔でベンチへ。

前田の中で俺の信頼度は今はゼロ。

話を聞いてもらって変えるしかない。


俺は二人に挟まれて話をすることに。


俺は今までのことを話した。
六年前、絵麻が見ただろう写メと俺のキス現場を見て勘違いして俺を振ったこと。
再会して絵麻に相手がいると勘違いしたけれど、絵麻を諦めなくて身体の関係を持ったこと。
突き放したくて俺も絵麻に嘘をついて彼女がいると嘘をついたこと。
結局そんな関係に耐えられなくなった俺が突き離したこと。
絵麻から赤ちゃんが出来たと電話が掛かってきたけれど信じられなくて突き離したこと。
昨日前田に電話する直前に過去のことを知って俺の勘違いだったと気付いたこと。


「何でハッキリ本当のことを言ってあげなかったのよ!」

話し終えると前田は再び激昂してベンチから立ち上がる。

「沙希、落ち着いて」

榊原は冷静に前田の背中を軽く叩いて宥める。

「絵麻の今の状況を教えて欲しい」

俺は立ち上がっている二人を見上げる。

「嫌ーーふがっ!」

榊原が拒もうとした前田の口を手で塞ぐと、
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