GET BACK TOGETHER
「電話で聞いたと思うけど、絵麻は赤ちゃんを流産した」

絵麻の現状を教えてくれた。
不安になった俺は立ち上がる。

「絵麻は大丈夫なのか!?」

「落ち着いて、絵麻は明後日退院だから」

それを聞けて俺は安堵の息を吐く。

「良かった……」

「明日、一緒に絵麻に会いに行きましょ」

榊原から一緒に行こうとまで言ってくれた。

「は!?何言ってんの、朋!?」

だが前田は激昂したまま。

「だってまだ絵麻の話を詳しく聞いてない。それに二人はしっかりと話し合う必要があると思う」

榊原は俺の味方をしてくれた。

「面会は朝の十時からだから、明日この駅の改札口に九時前に待ち会わせで」


そこで二人とは別れた。
俺は電車に乗って家へと向かう。
電車を降りてから家までの帰り道、歩きながら雪那に電話を掛けた。


「明日の朝、病院に行かせて欲しい。絵麻が流産して運ばれたから」

『え……』

電話口の雪那はまた言葉を失った。
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