GET BACK TOGETHER
「な、何を言ってるの……?彼女がいるでしょ!?帰って!!」

「全部が嘘なんだ」

今度こそ、ちゃんと伝える。
もう絵麻を疑ったりしないから。

「俺は雪那と付き合ってなんかない。今も、六年前も」

真実を伝えると絵麻は更に顔を顰めた。

「私を騙してるんでしょ?私を傷付けたいだけでしょ?もう私を放っておいて!」

涙が流れそうなくらい、絵麻の瞳には涙が溜まっている。
苦しんでいる絵麻を見ると俺まで苦しくなる。

「放っておけない……俺はずっと絵麻が好きだから……」

やっと伝えられた六年の想い。

声が震えた。

何でこんな遠回りをしてしまったんだろう。

たった二文字の言葉なのに……

「絵麻……」

絵麻に触れようと手を伸ばそうとした。

それなのに絵麻はフッと鼻で笑う。

そして次の瞬間、見たこともない冷たい目つきで俺を見据える。
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