GET BACK TOGETHER
そして夜ご飯も絵麻は出てきてくれなかった。
絵麻は服を着替えることも、お風呂にも入ろうとしてくれない。
とりあえず強引に身体は温めたタオルで絵麻の身体を拭いて、服を着替えさせた。
こんな絵麻の精神状態じゃ、また外に飛び出すかもしれないと思った俺は、トイレに入る時とシャワーの時と眠る時に鍵を使った。
だが夜中ドンドンと叩く音と、扉をガチャガチャ捻る音と、絵麻の叫び声で何度も目が覚めた。






あれから五日経った。
絵麻は相変わらず部屋に籠っている。


『もうすぐ約束の一ヶ月。部長がどうなってるって聞いてきたよ。あと皆ピリピリ。それに仕事はどうなってる？』

朝、雪那からメールが入った。
絵麻には逃げてほしくないが、もう仕事もダメかもしれない。

『ごめん、仕事行き詰まってる。明日会社に行く。あと雪那に頼み事。絵麻に今までの事は誤解だって謝って欲しいんだ。』

雪那にそう送ると『分かった。』と返ってきた。


自分の力で乗り越えて欲しかったが、職場に行くなら雪那に謝ってもらおうと考えた。
だって職場に行ったら絶対に雪那に会う。
絵麻が叫んで暴れだす可能性が高い。
でも雪那本人から謝罪されたら、絵麻に誤解だってことに気付いてもらえるかもしれない。

今は絵麻が良くなってくれる可能性に賭けよう。
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