GET BACK TOGETHER
その一言に倒れた時の記憶が甦る。

あんなに弱っている絵麻に雪那は責め立てた。

五日前、八階から飛び降りようとした。

しかも記憶の中の最後に見た絵麻は、顔は真っ青で全身を震わせていた。


絵麻は今、何処に居る……?


思考回路は最悪な状況にしか進んでくれなくて身体は冷たくなっていく。


どうして俺はあの時、絵麻の手を離してしまったんだ。


俺は急いでベッドから足を下ろす。
服は倒れた時のままのようだ。
丁度良い。

だが床に足をつけて立ち上がると、クラッと眩暈が襲う。


「光輝!何考えてるの!身体が限界なのよ!」

雪那が俺に駆け寄ってくると、俺の身体を勝手に支えてきた。

「放っといて」

俺は片手で雪那の肩を押して突き放そうとしたが、力が弱かったせいか雪那は俺の背中に手を回したまま。

「私、あの子を引き止めた!でもあの子は勝手に逃げたの!」

「お前が絵麻を責めたからだろ!」

「光輝だって辛かったんでしょ!?あの子最後に、光輝に解放するって言われたって呟いて出ていった!」

「え……」
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