GET BACK TOGETHER
「離せ。俺がお前を殴る前に」

俺は掴まれている手を振りきる。

でも雪那に掴まれたまま。

雪那の手を振り解きたいのに力が出てくれなくて振り解けない。


「光輝、自分を大事にして!過労で死んじゃう人だっているんだよ!?」

瞳から涙を流しながら声を荒らげる雪那。


お前に泣かれたって、俺がどうなったって、俺にはどうでも良い。

俺には絵麻だけ。


「離せ」

「もうあの子のことは忘れれば良いの!」

「黙れよ!」

雪那を振り解きたいのに身体が動いてくれない。


くそっ……動けよ、身体……


今、動かなかったら、永遠に絵麻を失ってしまうかもしれないんだぞ……
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