GET BACK TOGETHER
身体がヘンに冷たくなってきたが、私は記憶を辿っていく。

二人で抜けようって、男女が行くところわかるでしょって言われて誘われた。

その後、手を引っ張られて、そのままホテルに。

そして部屋に入るとすぐにキスされて、そのまま……


……好きって、言われてない……。


その時、昔抱かれた時の記憶がフッと蘇った。

いつもベッドの中では私の名前を何度も呼んでくれた。


でも昨日は名前すら呼ばれていない……。


それに朝の光輝も、今考えてみると少し変だった。

余所余所しいような……

私から逃げるような……


『もしもーし、絵麻ちゃーん?』

「朝起きたら、用があるからってすぐに帰って行った……」

『え』


沙希ちゃんは数秒間黙った後、言った。





『ねぇ、こんなこと言いたくないけど、高遠君、ヤりたかっただけじゃないよね?』
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