GET BACK TOGETHER
『ふーん。じゃあ高遠君が結婚してたらどーすんの?』

「結婚はしてないって聞いたから」

だから行こうって決めたんだもん。


『じゃあ彼女は?』


う。


「それは、分かんない……」

『まぁ彼女が居たらキッパリ忘れるためにも会う方が絵麻には良いかもね』


忘れる……

そんなこと、出来るわけがない……。


私は彼をこの手に取り戻すことしか考えていないから。






それから約二ヵ月後。
季節は秋になっていた。
街路樹には黄色や赤色、沢山の秋色。
早朝と夜は上着が無いと肌寒くなった。

今日はついに待ちに待ちに待った結婚式の日。
結婚式をこんなにも早くやるのは、彼女のお腹に赤ちゃんがいるから目立つ前にしたかったからだろう。

朋ちゃんはバスで現地に行くと言ったので、私は最寄の駅で沙希ちゃんと待ち合わせをした。
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