GET BACK TOGETHER
「絵麻！久しぶりに会ったら綺麗になってるじゃん！」

待ち合わせ場所に現れた沙希ちゃんが、淡いピンク色のパーティードレスを着飾っている私を見て褒めてくれた。


「ありがと……実はあの電話の後からヨガ教室に通ってみたの」

私は褒められたことに気恥ずかしくなって、少しはにかんだ。

光輝に綺麗になったって言ってもらうために地道に努力してみた。
先日初めてのエステにも行って、今日は美容院で肩まである髪を綺麗にセットしてもらった。


「引っ込み思案で前に出てこない絵麻が高遠君には必死だな！」

「沙希ちゃんだって張り切ってる。ずっとそんな十センチもありそうなヒール履いてなかったのに」

彼女はスレンダーな身体にピシッとフィットした紺色のドレスにすぐに足が疲れそうなピンヒール。
沙希ちゃんも相当気合が入っている。


「あは。私も必死だったな」

お茶目にぺろっと舌を出す沙希ちゃん。
と思ったら、何故かすぐに口角を上げた。

「それで待ち合わせの十五分前に既に居た絵麻ちゃん、お目当ての光輝君は見つけた？」

沙希ちゃんにはお見通しだったようだ。
< 7 / 481 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop