GET BACK TOGETHER
「うげっ!あそこにいるの絶対アツヒロだ!」

突然沙希ちゃんが叫んだ。


「え?アツヒロ?」

誰?


「覚えてない!?須藤篤弘《すどうあつひろ》!同級生で中学の時、女を漁りまくってたチャラ男!戸塚君より悪名高かった男だよ!ってかアイツ、親の転勤で県外に引っ越したのに何で東京に居んの!?まさかわざわざ結婚式のために来たの!?」

苗字を聞いたら分かった。
あぁ、須藤君か。


「へぇ~そうなんだ」

そんな男の子だったんだ。
私は光輝しか見ていなかったから知らなかった。


「絵麻は高遠君以外どうでも良いのね!」

須藤君にはごめんなさいだけど、

「うん」

事実。

「ハッキリ言ったな!とりあえずアイツは見たくないからアッチから行こう!」

沙希ちゃんが指を差しながら曲がり角を曲がろうとしたので、私は彼女に付いて行こうとした。


「久しぶり」

その時、突然低い声が飛んできた。
声のした方へ振り向くと少しぽっちゃり目の男性が立っていた。
< 9 / 481 >

この作品をシェア

pagetop