ヤナギ集落
とにかく俺たちはこの土地の反対側まで行ってみようと考えた。
真ん中にある枯れ柳に妙な気配を感じた俺たちはあえて端の方を通った。
土地の周りにある木々は壁のようになっておりとても人1人が通れる隙間はない。
もう少しで反対側という時に向こうには人がギリギリ通れるくらいの穴が見えた。

木がきしむ音がした。風は吹いていない。
4人は一斉に中心の柳を見た。
柳はそのむき出しになった枝を伸ばし真っ直ぐこちらへと振り下ろした。
俺たちは思わずバラバラになり枝を避けた。
その後も枝はそれぞれを追い、何度もその身を地面に叩きつけた。

｢みんな！穴の方へ！｣
何が何だか分からないまま俺は叫んだ。
そのまま自分も走った。他の3人の姿は見えない。
穴の近くまで来た時、枝に背中を突かれた。
そのまま俺は穴へ転がり込んだ。後ろを振り返ると柳の枝が大きな岩盤で穴を塞いでいるのが見えた。
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表紙・目次

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