ヤナギ集落

｢なあ、神主さん。こいつの連れを助けてやることはできないか？｣
｢それは難しいですね…。申し訳ないですが。ですが最後に皆さんのお姿をお見せすることはできます。あの中に消えた人は周りの人の記憶から消えると言われています。しかし今見に行けばあなたの記憶からだけは消えることはありません。相当なショックを受けることになるでしょうが。どうされますか？｣
｢えっと…。行きます。お別れくらいしておかないと。俺だけでも皆の存在を消さないようにしないと。｣
｢かしこまりました。それではお連れしましょう。他の皆様は着いてこないように。｣
｢ああ、ありがとう。｣

日はとうに落ちていた。俺と神主は俺が逃げてきた道を戻った。