冷徹な恋愛小説家はウブな新妻を溺愛する。
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お風呂上がり、わたしは自室にいた。
お風呂場が物凄く広くて綺麗でそこでまた緊張して、リラックスなんて出来ないまま上がったので湯上がりとは思えないほど身体がカチカチだ。
しかし、予想外に嬉しいこともあった。
部屋でいつもの安い化粧水をつけようと用意されていたドレッサーに移動して椅子に腰掛けると「ここ」と矢印が貼ってあるのを見つけて、なんだろう?と開けてみると、そこには高級ブランドの基礎化粧品やコスメがズラリと収納されていたのだ。
…きっと、まり子さんだ。
心の中でまり子さんに「ありがとうございます」と呟いて、使わせてもらった。
そして、髪も乾かし終えて寝支度が整った頃、ハッとする。
今日って、いわゆる「初夜」なの!?
え、え、え、待って!
今日が結婚して初めて迎える夜だから
そうよね!?
でも今どき改まって「初夜」って言うのも古いのかな?
ど、どうしようっ!室井さんの寝室に行った方がいいのかな?
でも、行ってどうする!?
「初夜なので来ましたぁ」って言うの?
いやいやいや!!そんなの恥の極みだわ!
でもじゃあどうしたらいいのーっ!!
純白の天蓋付きベッドにダイブしてバタバタと手足を思い切りバタつかせる。
そのうち、あまりにもベッドがふかふかで気持ち良くなって、
室井さんの寝室に行く前に少しだけーー
と目を閉じてみた。