冷徹な恋愛小説家はウブな新妻を溺愛する。
「ごめっ、なさっ…!仁さんっ、」
泣き崩れるわたしの背中を仁さんは優しくさすっりながら、
「わたしへのクリスマスプレゼントを買いに出掛けたのだろう?まり子さんから聞いたよ。まり子さんも、キミをひとりにすべきじゃなかったと平謝りだった」
「っ、まり子さんは、なにもっ、」
悪くないーー。そう言おうとして自分の唇が仁さんのそれによって塞がれていると気付く。
いつものようにすぐに離れるとばかり思っていたが、なかなか離れてくれず、息が苦しくなって空気を求めてたまらず口を少し開けた。
「っ!!」
すると、間髪入れずに仁さんの舌がわたしの口内に侵入してきた。
「んっ…んぅっ!」
このままでは窒息してしまうんじゃないかと必死で抵抗するも、仁さんはビクともしない。
だんだん意識がぼうっとしてきた頃、わたしはようやく解放されて、苦しくて涙ぐんだわたしの目に映ったのは、いつもの大人の男の仁さんではなくて、欲情を孕んだ目でわたしを捕らえて離さないオスの仁さんがそこにいた。
「っっ、」
その目を見たわたしは体を強張らせるも、心のどこかで興奮している自分がいることに気付いてもいた。