闇夜ヨルの恐怖記録2
☆☆☆

「これからは運動も勉強もマサシの時代だなぁ」


教室に戻ってきた時、そんな噂話しが聞こえてきてマサシは満足げに微笑んだ。


みんなが自分に注目していることがこんなにも気持ちいいことなのだと初めて知った。


気分よく掃除に取り掛かろうとしたとき、チナとタカヒロの2人が近づいてきた。


その表情は険しい。


「マサシ、俺たちの才能を返してくれ」


タカヒロに言われてマサシはニヤリと口角をあげた。


必ずそう言ってくると思っていた。


「もちろんいいよ。その代わり、ゲームで取り返してくれよ」


マサシの言葉にタカヒロとチナは目を見交わせている。


「またゲームをするつもり?」


「あぁ。その中であたりに止まればいいだけだろ?」


「でも、そんな簡単じゃないだろ。あたりのマスは3つしかないんだし」


「それなら、あたりに止まるまで何度もゲームをすればいい」


そうすれば、4人全員の才能をマサシ1人が奪い取ることだって可能になってくる。


マサシはすべての才能を奪い取った場面を想像してみてニンマリと笑う。


「どうする?」


「やるしかないよね」


チナは覚悟を決めたようにそ言ったのだった。
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