闇夜ヨルの恐怖記録2
知っていて当然と言ってもいいくらいの歴史にあくびが出てくる。


そんなときだった。


「で、そのミサイルは今でも郷土資料館にあるってわけ」


と、タカシが締めくくった。


その言葉にクニヒコが顔を上げる。


「それ、間違ってるよ」


立ち上がってつい口出しをしていた。


タカシの周りに集まっていたクラスメートたちが振り返る。


「郷土資料館にあるのはミサイルの模型で本物じゃないんだ。本物のミサイルは県の北部にある戦争資料館に保管されてる」


この情報は間違いないはずだった。


確か、一週間後に本物のミサイルがこの街に戻ってくるとニュース番組で見たことがある。


「へぇ、今あるミサイルは模型なんだね」


ハルカに言われてクニヒコは背筋を伸ばして頷いた。


「あぁ、そうだよ」


どうだ、知らなかっただろうとタカシへ視線を向けると、タカシはスマホで何かを調べていた。


どうせ俺の言ったことが正しいかどうか、慌てて調べているんだろう。


自分の間違いを認めたくないからそんなことをするんだ。
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