闇夜ヨルの恐怖記録2
「そんなに俺のことを疑ってるのかよ」


「念の為だ。お前ばかりがあたりに止まるのはおかしいだろ」


ヒデアキに言われてマサシは素知らぬ顔をして、肩をすくめた。


そのすきにまたネリケシをつける。


そしてサイコロを転がした。


勢いよく放たれたサイコロは床に転がって回転を繰り返す。


そして2つ隣の席までたどり着いたとき、ようやく止まった。


「あたりだ」


マサシはコマを動かして言う。


他の4人は青ざめた顔でそれを見つめていた。


誰もなにも言わない。


ただ、ヒデアキはカタカタと体を震わせている。


「仕方ないだろ。これはただの偶然だ」


マサシはヒデアキへ視線を向けた。


「や、やめろ!」


叫んだヒデアキはそのまま教室から逃げ出そうとする。


しかしその前にマサシは口を開いていた。


「俺は、ヒデアキの見た目の才能を奪う……」
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