闇夜ヨルの恐怖記録2
☆☆☆
一歩外へ出ると沢山の視線を感じた。
そのどれもが女子生徒や女性からの視線で、時折「かっこいい」とか「あの人見たことがある!」と囁かれる。
そう言われるたびにマサシは背筋が伸びる気持ちだった。
ヒデアキはずるい。
ずっとこんな景色の中で生きてきたなんて、自分とは大違いだ。
今までの地味で暗い生活を思い出すと胸の奥が苦しくなった。
こんなに華やかな生き方があるなんて、今までずっと知らなかったんだ。
「ただいま」
いつもどおり玄関に入ってリビングまでの廊下を歩き出したとき、玄関先に自分の通学靴が置かれていることに気がついた。
あれ、と思って立ち止まるとリビングのドアが開いて自分が出てきた。
一瞬悲鳴を上げそうになったが、相手がヒデアキであることを思い出して、悲鳴を飲み込んだ。
「ここに帰ってきちゃダメだ。俺の家を教えるからそっちに帰ってくれ」
ヒデアキは震える声でそう言い、住所を教えてくれた。
「あ、そっか……。よくこの家がわかったな」
「帰る方向は同じなんだ。何度かこの家に入っていくのを見たこともあった」
そうだったのかと思い住所を確認してみると、ここから5分ほど歩いた場所にある家だとわかった。
「赤い屋根の家だから、すぐにわかると思う」
「わかった。じゃあな」
マサシは軽く手をあげて家から出たのだった。
一歩外へ出ると沢山の視線を感じた。
そのどれもが女子生徒や女性からの視線で、時折「かっこいい」とか「あの人見たことがある!」と囁かれる。
そう言われるたびにマサシは背筋が伸びる気持ちだった。
ヒデアキはずるい。
ずっとこんな景色の中で生きてきたなんて、自分とは大違いだ。
今までの地味で暗い生活を思い出すと胸の奥が苦しくなった。
こんなに華やかな生き方があるなんて、今までずっと知らなかったんだ。
「ただいま」
いつもどおり玄関に入ってリビングまでの廊下を歩き出したとき、玄関先に自分の通学靴が置かれていることに気がついた。
あれ、と思って立ち止まるとリビングのドアが開いて自分が出てきた。
一瞬悲鳴を上げそうになったが、相手がヒデアキであることを思い出して、悲鳴を飲み込んだ。
「ここに帰ってきちゃダメだ。俺の家を教えるからそっちに帰ってくれ」
ヒデアキは震える声でそう言い、住所を教えてくれた。
「あ、そっか……。よくこの家がわかったな」
「帰る方向は同じなんだ。何度かこの家に入っていくのを見たこともあった」
そうだったのかと思い住所を確認してみると、ここから5分ほど歩いた場所にある家だとわかった。
「赤い屋根の家だから、すぐにわかると思う」
「わかった。じゃあな」
マサシは軽く手をあげて家から出たのだった。