闇夜ヨルの恐怖記録2
☆☆☆
すべての撮影が終わった後でもマサシは夢見心地だった。
真っ赤なソファでトオコと絡み合って写真を撮った。
最初はどんな表情をすればいいかわからなくて、カメラマンさんを困らせてしまったけれど、トオコは何気ない世間話をしてくれてどうにか表情が緩んできたのだ。
それからの時間はまたたく間に過ぎて行った。
ポーズや衣装を変え、セットも変えて撮影している間に夜になっていて驚いた。
慣れない仕事をしたせいで体は疲れていたけれど、気持ちは興奮状態にあって疲れも感じられなかった。
そしてなにより驚いたのは……。
マサシはポケットの中に入れておいた紙切れを取り出して確認した。
そこにはトオコの電話番号がメモされているのだ。
撮影が終わったときに、耳元で「連絡してね」と言って手渡されたものだった。
トオコの顔を思い出すと頭の芯がぼーっとしてきてしまう。
世の中であんなにキレイな人がいたんだと、初めて知った時間だった。
「そのメモはお母さんが預かっておくわ」
家に戻った途端、母親がそう言って手の中のメモを奪い取ってしまった。
「なにするんだよ!?」
慌てて取り返そうとしたが、後から父親に引き止められてしまった。
「お父さん、お母さんが俺のメモを取ったんだ!」
すべての撮影が終わった後でもマサシは夢見心地だった。
真っ赤なソファでトオコと絡み合って写真を撮った。
最初はどんな表情をすればいいかわからなくて、カメラマンさんを困らせてしまったけれど、トオコは何気ない世間話をしてくれてどうにか表情が緩んできたのだ。
それからの時間はまたたく間に過ぎて行った。
ポーズや衣装を変え、セットも変えて撮影している間に夜になっていて驚いた。
慣れない仕事をしたせいで体は疲れていたけれど、気持ちは興奮状態にあって疲れも感じられなかった。
そしてなにより驚いたのは……。
マサシはポケットの中に入れておいた紙切れを取り出して確認した。
そこにはトオコの電話番号がメモされているのだ。
撮影が終わったときに、耳元で「連絡してね」と言って手渡されたものだった。
トオコの顔を思い出すと頭の芯がぼーっとしてきてしまう。
世の中であんなにキレイな人がいたんだと、初めて知った時間だった。
「そのメモはお母さんが預かっておくわ」
家に戻った途端、母親がそう言って手の中のメモを奪い取ってしまった。
「なにするんだよ!?」
慌てて取り返そうとしたが、後から父親に引き止められてしまった。
「お父さん、お母さんが俺のメモを取ったんだ!」