闇夜ヨルの恐怖記録2
「仕方ないだろう。恋愛はご法度なんだ」


「え?」


振り向くと険しい表情の父親がいて、怯んでしまいそうになる。


だけどあのメモは自分がもらったもので、両親に奪われる筋合いはなかった。


「あの子、スクープを狙っているのよ。週刊誌に写真を取られればニュース番組でも取り上げられる。一躍有名になるには、手早い手段よね」


母親はそう言いながら忌々しげにメモを引き裂いた。


「あぁ!!」


せっかくもらったメモはバラバラになって床に落下する。


マサシはそれを唖然として見つめた。


「学校内でも特定の女の子と付き合ったり、仲良くしたりするんじゃないぞ? 写真を取られればお前の将来の傷になる」


将来の傷……?


父親の言葉に愕然としてしまう。


学校内で1番人気者で、かっこよくて、いつでも女子たちが群がっている。


そんなヒデアキはマサシから見れば羨望の的だった。


「女の子のことなんて考えなくていいの。あなたは自分の道を真っ直ぐに進むだけでいいの」


そんな……。


ヒデアキの生活を垣間見たマサシはなにも言えなくなってしまったのだった。
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