闇夜ヨルの恐怖記録2
突き放すようにそう言うと、チナは下唇を噛み締めて涙をこらえた。


「だから、一生懸命勉強してるの! 本当はあんたなんかに教わりたくないのに!」


感情を押し殺した声で講義するチナに、他の女子生徒からは避難の視線が向けられた。


なんていったって今のマサシはヒデアキの見た目をしているのだ。


女子生徒たちはみんな自分の味方だと言っても過言ではなかった。


「わかったわかった。教えてやるよ」


泣かれても面倒なのでマサシはそう答えて、大きなアクビをひとつしたのだった。
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