闇夜ヨルの恐怖記録2
「うん。頼まれたから一応ね」


返事をしながらマサシは椅子の上でふんぞり返った。


ここにいる女子生徒たち全員が自分のことを好きなのだと思うと、気分がよかった。


それでも誰とも付き合えないなんて、モデルっていうのはつまらない職業だ。


そうだ!


モデルなんてやめてしまえばいいんだ。


そうすれば好きな子と付き合うことができるんだから。


そう決めた時、視界の端に自分の姿が移った。


マサシになったヒデアキは1人机に座ってぼーっと黒板を見つめている。


未だに自分の状況が理解できていないのかもしれない。


これだけのイケメンが根暗男子になったのだから、茫然自失となっても仕方ないことだった。


「いいよ。みんなまとめて試合を見においでよ」


マサシが言うと、女子たちからは黄色い悲鳴が上がったのだった。
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