闇夜ヨルの恐怖記録2
タカヒロはあっという間にサッカー部のエースに返り咲き、サマシが試合に出る話しは消えていった。


女子たちはヒデアキの机の周りに群がって、マサシに近づいてくることはなくなった。


すべての才能を失ったマサシが転落するのは早かった。


再び誰からも相手にされない毎日がやってきた。


教室の片隅で、できるだけ存在感をなくして時間をつぶすだけの毎日。


それでも時々ちょっかいを出されて『根暗マサシ』と噂をされて笑われる。


そのたびにマサシは唇を引き結んで我慢した。


一体俺がなにをしたんだ。


なにもしていないのにどうして俺のことを笑うんだ。


そう思っても声には出せなかった。


そんな勇気、とっくになくなってしまっていたのだった。
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