闇夜ヨルの恐怖記録2
そう思って説明書を読み直してみたけれど、そんなことは書かれていなかった。


その時だったクラスの女子が「あれ、どうして耳栓なんてつけているの?」とヒデアキに聞いているのを目撃した。


ヒデアキは一瞬ビクリとした顔を浮かべたが、そのまま教室から逃げ出してしまった。


あいつら、耳栓をつけてたんだ!


もう二度とゲームに誘われないようにしていたとわかり、憤りを感じる。


これじゃ才能を奪うことができない!


焦りに似た感情が湧き上がってきたとき、廊下から他のクラスの生徒たちの声が聞こえてきて視線を向けた。


それはC組の男子生徒たちで、みんな顔が良くて勉強がよくできることで有名なメンバーだった。


マサシは彼らを見てゴクリと唾を飲み込んだ。


自分より才能のある人間は沢山いる。


なにも同じクラスの生徒に絞る必要はないのだ。
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