闇夜ヨルの恐怖記録2
「あ~あ、今日は楽しかったな。この才能は一週間すれば自然と元に戻るって書いてあったから、それまで大切に使わせてもらうよ」


マサシから様々な才能を奪い取った3人の生徒たちは、教室を後にする。


マサシは愕然として椅子に座り込み、ボードゲームを見つめた。


こんなのおかしい、絶対にいかさまだ!


「待てよ! ゲームはまだ終わってないだろ!」


教室を出ようとしていた3人が足を止め、振り返る。


「いいのか? ゲームを続ければその分お前の才能が奪われるんだぞ」


「そ、そんなことない! 俺は自分の才能を奪い返す!」


「へぇ、本当にできるのか?」


3人はクスクスと含み笑いを浮かべる。


その笑顔を見てマサシはまた冷や汗が吹き出した。


「やっぱり、イカサマをしてたんだろ!」


「だからなんだよ? お前だってやってたんだろ?」


その言葉に絶句してしまう。


この3人は最初からマサシのやっていたことを見抜いていたのだ。


その上でゲームに参加してきたのだ!


「悪いな。俺たちタカヒロから相談受けてたんだよ。それでお前があいつらとゲームをしているのを観察させてもらってたんだ。だからお前がどうやってあたりマスに止まってたのかもわかってた」


男子生徒はそう言うとポケットからネリケシを取り出して、マサシの前に放り投げたのだった。
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