闇夜ヨルの恐怖記録2
☆☆☆

家に帰ってきたマサシはリビングにいる母親に声をかけることもなく、自分の部屋に駆け上がった。


鏡を見るのも嫌で帽子を深くかぶり、マスクを付けて顔を隠した。


唇の奥から除く歯は歯並びが悪く、そのため虫歯も沢山あるみたいだ。


あいつらのせいだ。


あいつらのせいで俺はこんな顔になったんだ。


人気者でカッコイイくせに、俺の顔を奪うなんて信じられない!


以前よりもずっと醜くなった容姿に、ベッドの中に潜り込む。


もう誰とも会いたくない。


一週間もこのままだなんて死んでしまいたくなる。


「マサシ、お友達が来たわよ」


そんな母親の声も聞こえないくらいに心が沈み込んでいた。


「友達……?」


そっと布団の中から顔を出す。


自分に友達なんていない。


いるのは嫌なクラスメートたちだけだ。
< 143 / 150 >

この作品をシェア

pagetop