闇夜ヨルの恐怖記録2
「お前、3つも才能を奪われたんだぞ? それがどういう意味かわかるか?」


ヒデアキの言葉にマサシは左右に首を振った。


自分のなけなしのいいところを全部奪われたとしか思えない。


こんな仕打ちは耐えられない。


「マサシには、最初からそれだけの才能があったってことだ」


タカヒロが呆れた声色で言った。


才能……?


マサシは一瞬大きく目を見開く。


いや、騙されるもんか。


俺には才能なんてない。


才能があれば、根暗マサシだなんて陰口を叩かれたりしてないはずだ。


「嘘つくなよ!」


「嘘じゃない。才能はあったんだ。それなのに気がついて来なかっただけなんだ」


才能にあふれているタカヒロたちにそんなことを言われても納得できるわけがなかった。


「私達みんな、才能を伸ばすために努力をしているのよ。なにもせずにここまでできるようになったわけじゃないの」


チナが言う。


「そうだよ、だからマサシだってこれから努力をすればいいんじゃない」


ノリコが言う。
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