闇夜ヨルの恐怖記録2
☆☆☆

なんだよみんな。


あれだけ俺の周りに集まって、色々聞いてきてたくせにさ!


タカシのせいで俺の立場は台無しだ。


なんてこのタイミングでしゃしゃり出てくるんだよ。


帰宅途中、イライラした気分が抜けきらないクニヒコは歩道に転がっていた石を思いっきり蹴飛ばした。


石は大きく跳ね上がり、少し向こうに落下する。


「なんだよ。タカシのヤツ良いカッコしやがって」


ハルカがタカシと一緒に楽しそうに勉強している姿を思い出して、また思いっきり石を蹴飛ばす。


「ハルカだって、俺のことすごいって言ってたくせにさ」


文句を口に出すとまた腹が立ってくる。


もう1度石を蹴飛ばそうとしたとき、石の近くに黒縁のメガネが落ちていることに気がついた。


「メガネ……?」


しゃがみこんで見てみるとレンズがひび割れているわけでもなく、ツルもしっかりしている。


なんでこんなところにメガネが?


落としたのだとしたら持ち主は目が見えなくて困っているだろう。
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