闇夜ヨルの恐怖記録2
「この辺は1878年頃、まだ墓地だったんだ」


「え?」


突然クニヒコに言われてハルカは眉を寄せる。


「この辺一体が全部だよ。道路も家もなにもない、広い墓地だ」


「ねぇクニヒコ君、そういうの私怖いからやめてほしい」


ハルカは自分の体を両手で抱きしめるようにして言った。


「でもそれが本当のことなんだ。俺はこの目で見たんだから間違いないんだよ」


「見たってどういう事? ねぇ、本当にやめて」


ハルカは顔をしかめてクニヒコから逃げるように駆け出してしまったのだった。
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