闇夜ヨルの恐怖記録2
「うわぁああ!!」


今度こそ悲鳴が上がった。


大慌てで足を動かして土を蹴って立ち上がろうとする。


しかし滑ってうまく立ち上がることができない。


その間に兵士たちは川に入っていき、槍の先端に突き刺さっている生首を洗い始めたのだ。


キレイな川の水が一瞬にして真っ赤に染まる。


クニヒコはわぁわぁ悲鳴をあげて暴れている内に、いつの間にかメガネが外れていた。


「君、どうかしたの?」


偶然犬の散歩をしていた女性に声をかけられて、ようやく我に返り振り向いていみると兵士たちの姿は見えなくなっていた。


「大丈夫?」


「だ、大丈夫です」


全身に汗を吹き出しながら、どうにか立ち上がったのだった。
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