闇夜ヨルの恐怖記録2
☆☆☆
元々暮らしていた家から引越し先までは徒歩で行ける距離だった。
「僕は歩いて行くから大丈夫」
白い普通車の運転席へ向けてクニヒコは言った。
運転席には父親、助手席には母親が乗っていて後部座席は荷物でいっぱいになっているため、クニヒコが乗るスペースがないのだ。
「場所はわかるな?」
「うん。もう何度も行ったから覚えたよ」
「じゃあ、先に行って待っているから、ゆっくり来なさい」
父親がそう言うと、車はゆっくりと発進した。
クニヒコは父親が運転する車を見送ると、カバンを地面におろしてメガネを取り出した。
新しいアパートまでの道のりをメガネをかけて歩いてみようと思ったのだ。
車の後部座席が荷物でパンパンになってくれたおかげで、歩く口実を見つけることになった。
「確かこの辺は昔沼だったんだよな」
地名にも沼という文字が入っている。
教科書やノートが入ったリュックを背負い直して、メガネをかける。
途端に視界が歪んでめまいがした。
これはメガネをかけたときに必ず起こる現象だとクニヒコはすでに理解していた。
元々暮らしていた家から引越し先までは徒歩で行ける距離だった。
「僕は歩いて行くから大丈夫」
白い普通車の運転席へ向けてクニヒコは言った。
運転席には父親、助手席には母親が乗っていて後部座席は荷物でいっぱいになっているため、クニヒコが乗るスペースがないのだ。
「場所はわかるな?」
「うん。もう何度も行ったから覚えたよ」
「じゃあ、先に行って待っているから、ゆっくり来なさい」
父親がそう言うと、車はゆっくりと発進した。
クニヒコは父親が運転する車を見送ると、カバンを地面におろしてメガネを取り出した。
新しいアパートまでの道のりをメガネをかけて歩いてみようと思ったのだ。
車の後部座席が荷物でパンパンになってくれたおかげで、歩く口実を見つけることになった。
「確かこの辺は昔沼だったんだよな」
地名にも沼という文字が入っている。
教科書やノートが入ったリュックを背負い直して、メガネをかける。
途端に視界が歪んでめまいがした。
これはメガネをかけたときに必ず起こる現象だとクニヒコはすでに理解していた。