闇夜ヨルの恐怖記録2
クニヒコは父親に頼んで机の向きを窓辺にしてもらい、折りたたみベッドは自分で運んだ。


中学3年生に上がってから急に筋肉が付き始めたように感じている。


「2人共、休憩にしましょう」


母親に呼ばれてリビングダイニングへ向かうと、大きなピザが2枚運ばれてきたところだった。


チーズのいい香りが部屋の中に漂っていて、急にお腹が空きはじめた。


「お父さん、どのくらいで元の家に戻れるの?」


ピザを頬張りながら質問すると「半年くらいだって聞いてる」


「ふぅん」


それが早いのか遅いのかクニヒコにはよくわからなかった。


ただ、半年後には真新しい家にいるのだと思うとわくわくする。


「さぁ、ピザを食べたら早く片付けちゃいましょう。クニヒコは受験生なんだからね」


「わかってるよ」


母親に水をさすように言われて、クニヒコはムッとした表情になったのだった。
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